支部長挨拶

平成22年度土木学会中部支部の支部長を務めさせていただくことになりました、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)の野田豊範です。この1年間、学会の発展のために全力にて尽力してまいりたいと思います。

さて、私どもJR東海は、平成14年に事務局を務めさせていただき、私も幹事長という立場でお手伝いをさせていただきました。今般、8年ぶりに支部長という大役に就くこととなりましたが、その間に土木をとりまく環境は大きく変わりました。財政の悪化に伴って、我が国の公共投資は大幅に削減される傾向にあります。また、世界規模で地球環境問題がますますクローズアップされ、古いものを壊して新しいものを作る時代から、古いものをより長く使えるよう維持管理する時代になってきました。さらに、我が国では少子高齢化が進み、「平成21年度高齢社会白書」によると、今や65歳以上の高齢者の占める割合は総人口の22%を超え、今後も増加傾向が続くと見込まれています。

このように環境が大きく変わるなかで、「コンクリートから人へ」といったキャッチフレーズも一部使われていますが、これは国民の皆様が現状の社会資本に一定程度の満足感を持っているともいえ、土木の先人の方々の努力が認められた証でもあります。蓄積された社会資本は、放置すれば確実に機能低下していくので、今後より一層その維持管理が重要となります。しかし、今後とも将来を見据えて厳選した社会資本を整備していくことも合わせて重要です。これまで経済が大きく成長する過程では、量の確保を要求される面が強く見られましたが、現在の成熟化した状況下では、効率や質の高さなどに一層の留意をして取り組んでいくことが肝要です。こうしたことを念頭において、我が国の社会資本の整備のためには、客観的に厳選した選別を行ったうえで、必要なものは必要であると、きちんと広く国民の皆様に主張していかなければならないと思います。

我々は土木に携わる者として、こうした社会資本に対する姿勢について国民の皆様に理解をしていただくために、働きかけをしていくべきであると考えております。そのために土木学会としてできることは、我が国の将来のあるべき姿を描き、我々がお互いに議論をたたかわせ、積極的に国民の皆様と交流していくことではないかと思います。そのような場を提供し、参加の機会を増やしていくことが、将来を担う学生や若手技術者の方々にとって魅力ある学会となり、さらには会員数の増加や活性化につながるのではないでしょうか。

中部支部においては、これまで講習会や見学会、出前講座などさまざまな活動を行ってきました。会員の皆様をはじめ、学生や若手技術者の方々、広く地域の皆様が参加できるイベントなどを通じて、土木の魅力を発信するとともに、社会資本についての理解を深めていただけるように取り組み、活性化を図っていきたいと思います。そのためには、産・官・学の連携が必要であることは言うまでもありません。皆様のご協力とご指導・ご鞭撻を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

平成22年度土木学会中部支部長
野田 豊範
(東海旅客鉄道株式会社 代表取締役 副社長)

中部支部会員数

2010年4月末日現在の土木学会中部支部会員数は、下表の通りです。

正会員 個人 2,808名
法人 45団体
学生会員 610名
特別会員 50団体
合計 3,513名
フェロー会員 142名
名誉会員 28名

歴代支部長および幹事長

歴代の支部長および幹事長一覧は以下からご覧ください。