支部長あいさつ
令和2年度土木学会中部支部長を務めさせていただくことになりました、中部地方整備局の堀田 治です。この1年間、土木学会中部支部の発展のために尽力して参りたいと思います。
さて、昨年は令和元年房総半島台風、同年東日本台風等により甚大な災害が全国各地で発生し、中部支部管内においても千曲川の決壊などに対し、学会本部の調査団が派遣されるなど様々な調査、報告活動が実施されました。また、昨今発生した新型コロナウイルスの感染拡大により、全国に緊急事態宣言が発表された中においても、安定的な国民の生活確保や社会維持のために、我々土木技術者はインフラの運営や新たな課題への対応を担ってきました。今後、更にコロナ禍沈静後の経済回復を担う重要な役割も期待されております。
今年度は、土木学会が定めた新しい5カ年計画「JSCE2020-2024」の始まりの年です。「地域・世代・価値をつなぎ、未来社会を創造する」を副題に、「安全で安心して豊かな生活ができる持続性の高い国土再構成(安全・安心)」、「我が国が有する質の高いインフラの海外展開と国際的諸課題の解決への主体的貢献(国際)」、「専門的知見に基づく公正な立場での対話と情報蓄積・公開を促すしくみの整備と利活用(コミュニケーション)」、「次世代の土木技術者の育成と多様な人材が活躍できる社会の実現(人材)」といった4つの中期重点目標を定め、様々な活動を進めることとなっております。
中部支部においても、このJSCE2020-2024の中期重点目標を踏まえて、近い将来高い確率で発生が予測されている南海トラフ地震、頻発する集中豪雨や台風の大型化による災害の激甚化に備えるための調査研究、インフラ維持管理における技術者不足に悩む自治体への支援、出前講座や見学会を通じた市民とのコミュニケーション、次世代の人材育成や技術の伝承を目的とした講習会の開催など様々な活動を展開して参りたいと思います。
また、今年度中部で開催される土木学会全国大会については、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践として、会員の皆様が名古屋に参集する従来形式の開催に替えて、新たな試みとして、主要な行事をオンライン形式により実施する大会を開催します。今年度の全国大会のテーマは「守る・攻める・変わる ~持続的な成長を支える土木の変革~」です。この新たな試みによって、学術講演会などで発表される多くの知見に加え、この新たな形式により大会開催に挑戦する姿勢が、土木が「変わる」ことを全国に広く訴えていくことに繋がるものだと考えております。是非、関係皆様のご協力をいただきながら大会を成功させていきたいと思います。
第四次産業革命、デジタル革命などの近年の目覚ましい技術革新に加え、感染拡大防止対策として進められたテレワークや、産業の国内生産回帰の動きなどにより、私達の生活、働き方、産業構造が大きく変わりつつあります。土木、そして私達土木技術者もその動きに遅れることなく、先を読んで自らを変革していかなければなりません。土木技術のさらなる発展のために産学官が連携し、会員の皆様とともに努力し進んでまいりたいと思います。今後とも、会員の皆様の中部支部に対するご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
令和2年度土木学会中部支部長
堀田 治
国土交通省 中部地方整備局長
中部支部会員数
2020年5月末日現在の土木学会中部支部会員数は、下表の通りです。
正会員 | 個人 | 3,102名 |
法人 | 50団体 | |
学生会員 | 766名 | |
特別会員 | 41団体 | |
合計 | 3,959名 | |
フェロー会員 | 137名 | |
名誉会員 | 25名 |
注)名誉会員及びフェロー会員は正会員(個人)に含まれる