支部長あいさつ
令和3年度土木学会中部支部長を務めさせていただくことになりました、愛知県建設局の道浦 真です。この1年間、土木学会中部支部の発展のために尽力して参りたいと思います。
さて、発生が懸念される南海トラフ地震のリスクが高まっているとともに、昨年7月の豪雨では大規模な災害が発生するなど、気候変動の影響により自然災害が頻発・激甚化しているほか、進行するインフラ老朽化、インフラの整備・維持の担い手不足、さらには、昨今の新型コロナウイルス感染症の発生・まん延による、人々の生活のあり方に対する意識の変化など、社会を取り巻く環境は大きく転換しようとしています。
このような状況の中、土木学会では、5カ年計画「JSCE2020-2024」の着実な実施に向けた取組の一つとして、昨年度からインフラパートナー制度を進めており、国土やインフラ保全、地域づくり、人材育成などを目指し活動している市民グループ等を「パートナー」と位置付け、土木学会と連携・協力してインフラ関連の活動の活性化を図るとともに、地域のインフラの質的向上を図る取り組みを行っております。
中部支部においても、この制度を活かし、国土保全・インフラマネジメントに関わる同志が交流を深めながら、お互いの活動を活発にする取組を展開してまいりたいと考えております。
また、中部支部では、今年1月に愛知県都市整備協会と、インフラ維持管理における自治体支援等の協定を締結し、相互に協力できる体制を整えました。
これにより、インフラ維持管理に関する課題に直面している市町村に対して、都市整備協会を通じて土木学会の研究者の派遣や助言を行えるようになるとともに、土木学会における普及啓発活動に対し都市整備協会の協力を受けられることとなります。
自治体支援を通じ、インフラの質的向上を図るとともに、土木学会と市町村においてお互いの理解もより深めてまいりたいと思います。
さらに、中部支部で継続して実施している、主に小中学生とその保護者を対象にした「親子ふれあい見学会」や学校に出向いて土木分野に関する講座を開く「出前講座」、土木を学ぶ大学生などを対象にした「土木技術者と学生との交流会」、市民を対象とした「市民見学会」などを引き続き開催し、土木のもつスケールの大きさや醍醐味など多くの魅力を伝えることで、学生や市民の方々に土木分野についての理解や関心を深めていただくよう努力してまいります。また、土木技術者の技術向上に向けた研究発表会や技術講習会などの取組や、歴史的土木施設の顕彰のための選奨土木遺産パネル展などの取組も推進してまいります。
地域住民や自治体を始めとした多様な主体が参画し、環境の変化への迅速な対応が可能な社会の実現に向け、土木学会の果たすべき役割はますます大きくなっていると考えております。また、土木の魅力や土木技術者の果たす社会貢献などについて、国民の皆さまにきちんとご理解いただけるような情報発信が不可欠となっております。土木技術のさらなる発展に向け、産学官の豊富な人材の連携と、各種取組の継承に取り組んでまいりたいと思います。今後とも、是非、会員の皆様の土木学会の活動へのご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げ、就任のあいさつとさせていただきます。
令和3年度土木学会中部支部長
道浦 真
愛知県 建設局長
中部支部会員数
2021年4月末日現在の土木学会中部支部会員数は、下表の通りです。
正会員 | 個人 | 3,079名 |
法人 | 49団体 | |
学生会員 | 668名 | |
特別会員 | 40団体 | |
合計 | 3,836名 | |
フェロー会員 | 133名 | |
名誉会員 | 24名 |
注)名誉会員及びフェロー会員は正会員(個人)に含まれる